多くのママが勘違い?!子供の食事で欠かせない食べものは野菜?

こんにちは!育脳食サポーター 管理栄養士の望月麻衣子です!

「子供に栄養のある食事を食べさせてあげたい!」

「でも、実際には好き嫌いがあるし”栄養バランスのいい食事”を作っても食べてくれない!」そういう声が数多く届いています。

しかし、よくお話を聞いてみると、お母さんの思っている”栄養バランスのいい食事”が必ずしもそうではないことがあるんです!

なぜなら、お母さんたちはお子さんの栄養バランスをよくするために必要なのは”野菜”だと思っているようなのです。

本当にわが子に必要な栄養をとるには、なにに気をつけるといいのかポイントをご紹介します。

欠かさずとりたい3つの栄養素はコレ!

人の体は食品からとれる栄養素を体の中で利用しています。

特に、人間の身体になくてはならない栄養素のうち、エネルギー(カロリー)源となる

3大栄養素(エネルギー産生栄養素)は、たんぱく質・脂質・炭水化物の3つです[1]。

これらは、改めて気にしてみると不足や過剰が目立ちやすい栄養素でもあります。

順番に見ていきましょう!

成長とともに不足しがちなたんぱく質

たんぱく質は、筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体構成成分、ホルモン・酵素・抗体などの体調節機能成分として重要であり、生命の維持に欠くことができないものです。

また、食品に含まれるたんぱく質は、アミノ酸の構成により体内での利用率が異なります。たんぱく質の含有量が多く利用率の高いもの(良質なたんぱく質食品)は、卵類・肉類・豆類などがあげられます[2]。

これらが毎食しっかりとれていますか?

たんぱく質欠乏症では、成長障害・体力や免疫機能の低下などが起こるといわれています。小学生では常に必要量が増していくため、男女とも中・高学年では18歳以上の女性と同じ量が必要です[3]。

効率よくエネルギー補給できる炭水化物

主食であるご飯・パン・麺類などは炭水化物を含んでいます。体内に取り込まれエネルギーとして使われるほとんどは炭水化物(糖質+食物繊維)のうち糖質です。

主に、脳、神経組織、赤血球など、通常はぶどう糖しかエネルギー源として利用できない組織にブドウ糖を供給します。

そのため、不足すると、エネルギー不足による疲労感や集中力の減少が見られ、さらには、ブドウ糖が必要な脳・神経で供給不足が起こると、意識障害を起こすこともあります。

また過剰な場合、エネルギーとして消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因となります[3]。近年、大人だけでなく子どもでも注意が必要です。

毎食のご飯の分量が成長に合わせて適した量になっているか、各ご家庭でチェックして不足している場合には、少しずつ年齢に合った量を食べられるようにしていけるといいですね。

脂質は悪者?実は上手にとるコツがある!

脂質と聞くと、悪いものというイメージを抱く方も多いのでは?それは、生活習慣病との関係が思い浮かぶかもしれません。

しかし、脂質摂取量との関連が認められている生活習慣病は少ないことが分かっています[3]。子供たちで気をつけたいのは、飽和脂肪酸が過剰にならないようにすること。

飽和脂肪酸は主に動物性の脂肪に含まれます。

乳製品やお菓子、加工食品などが多い食生活をしていると知らないうちにとりすぎてしまっていた!ということがあります。気にしてみて初めて気づくことが多いものです。

一方で多価不飽和脂肪酸に分類されるEPAやDHA、α-リノレン酸などは、魚や大豆などの食品中からとることができます。こういった食品を心がけてとることと、無理なく飽和脂肪酸を含む食品を減らすことにもつながるのではないでしょうか?

野菜は大事なお助けマン!

では、野菜はエネルギー源になる栄養素ではないから食べなくていいのか?というと、そうではありません。

ここまでに出てきた3大栄養素が体内で使われるためには、それを助ける栄養素が必要です。野菜に含まれるビタミン・ミネラル、食物繊維が大きく関係しています。

しかし、例えば車の工場で、作業がスムーズに進むように人員配置しても、肝心の材料がなくては困ってしまいますよね。ですから、体内でも材料である3大栄養素がしっかりとれているかをまずはチェックしていきたいのです。

まとめ

お子さんに必要な栄養を考えるとき、まず気にしたいのは3大栄養素であることをお伝えしました。しかし、それ以外の栄養素ももちろん必要です。

いつもの1日の食事のなかで、わが子に必要な栄養がとれているか、まずは3大栄養素がとれる食品を食べることができているかチェックをしていきましょう!

【参考文献等】
[1]厚生労働省:e-ヘルスネット,エネルギー産生栄養素
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-013.html
[2]厚生労働省:e-ヘルスネット,たんぱく質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html
[3]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

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