こんにちは!育脳食サポーター 管理栄養士の望月麻衣子です!
これまでお母さん方に「お子さんは普段の食事でしっかり栄養がとれていますか?自信はありますか?」と聞いたところ、ほとんどの方のお返事が「自信ありません…」でした!
あなたはどうですか?
お子さんは、普段の食事でしっかり栄養がとれているか!考えたことはあるでしょうか?
成長著しい小学生にとって、1日3食の食事はどれも大事な栄養補給源です。
お子さんの食事や栄養バランスを考えるとき、まず朝ごはんを最初にチェックしましょう。
朝ごはんといっても、ただ朝に何かを口に入れておけばいいということではないのです。
今回は、どのような朝食をとるといいのかポイントをご紹介していきます。
朝ごはんを食べる小学生は”できる小学生”
あなたのお子さんは、朝ごはんを食べて学校へ出掛けていますか?
文部科学省が小学校6年生と中学校3年生を対象に実施した令和3(2021)年度「全国学力・学習状況調査」によると、朝食を毎日食べている小・中学生と、全く食べていない小・中学生の間には、各教科の平均正答率の差が10~15ポイント程度あります。
また、スポーツ庁が小学校5年生と中学校2年生を対象に実施した同年の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」によると、毎日朝食を食べる子供ほど、体力合計点が高い傾向にあります[1]。
このように朝食を毎日食べているか否かで、学力や体力に差が出ることが明らかになっているのです。
その理由として、朝ごはんをとることは、エネルギーや栄養補給だけではなく、脳や消化器官を目覚めさせ、体内時計のリズムを整える役割があることがいえます。
前日の夕食にとった食事は、寝ている間に使われてしまいます。朝に脳のためのエネルギーをしっかり摂らないと、集中力が高まらずイライラが続いてしまうなど1日の状態に大きく影響してしまいます。
そのため、朝ごはんで午前中に必要なエネルギー源を補給する必要があります[2]。
朝ごはんの内容に秘密がある
では、朝に何かを食べていればよいのかというと、そうとは言いきれないことが分かっています。
脳のエネルギー源といわれるブドウ糖をとっていれば大丈夫なのでは?と思っている方も多い朝ごはんですが、実は、人の体では栄養を代謝していくときのルールがいくつか決められています。
そのため、栄養バランスのとれた朝ごはんにするために知っておきたいポイントがあります。
ご飯やパンなど主食をたべる習慣を
効率よくエネルギー源となる糖質を多く含む主食を食べると、脳、神経系を働かせることにつながります。
朝食を食べる習慣がない場合には、まずは主食を食べるようにします。
しかし、単純に主食だけの朝ごはんにしてしまい質の配慮を忘れてしまうと、栄養バランスの偏りや1日にとりたい栄養が不足する可能性があります。そのため、朝に主食を食べることができる場合には、次へステップアップしていきましょう。
主食+たんぱく質(主菜)の組み合わせで食べる
たんぱく質は、筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体の構成成分、消化器や脳神経系の機能を調整するなど、生命を維持するための重要な働きをします[3]。
特に小学校高学年になると、成人女性と同量のたんぱく質をとる必要があるため、健全な心身の維持には毎食欠かさずたんぱく質をとることが大切です[4]。
ご飯やパンに、魚や肉、目玉焼きやヨーグルト、納豆など各ご家庭で準備しやすいものをプラスできるといいですよ。
主食+たんぱく質(主菜)+野菜や果物
主食でとれる糖質とたんぱく質の食品が体内で代謝されていくときに、その働きをスムーズにする役割を担っているのがビタミン・ミネラル類です。
それ以外にも、筋肉収縮や神経伝達に関わるほか、体の成分としてさまざまな体内の機能を保ってくれています[5,6]。
主食とたんぱく質の食品からも補給できますが、野菜や果物からも摂ることで種類・分量を摂ることが大切です。
朝からバランスのよい食事を準備することが大変!というご家庭もあるかと思います。
その場合には、前日の夕食を少し朝食に取り置くほか、調理をせずに冷蔵庫から出してすぐに食べられる食品を揃えておくことも工夫の1つです。
まとめ
栄養バランスのとれた朝ごはんにするために知っておきたいポイントをご紹介しましたが、いかがでしたか?
朝食を食べる習慣には、規則正しい就寝・起床などの基本的な生活習慣による影響が考えられます。さらに、親世代の朝食を食べない習慣が、朝食を食べない家庭環境に影響している可能性があることも指摘されています[7]。
栄養バランスの整った朝ごはんが必要なのはお子さんだけではないですよね。
早速、朝から活動的にチカラを発揮するために、まずは週に1回でも栄養バランスを心がける朝ごはんを増やすことを始めてみませんか?応援しています!!
【参考文献等】
[1]文部科学省:令和3年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料
https://www.nier.go.jp/21chousakekkahoukoku/index.html
[2]農林水産省:子どもの食育,朝食が大事なワケ
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/oneday/morning1.html
[3]厚生労働省:e-ヘルスネット,たんぱく質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html
[4]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
[5]厚生労働省:e-ヘルスネット,ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
[6]厚生労働省:e-ヘルスネット,ミネラル
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
[7]農林水産省:令和3年度食育推進施策
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/wpaper/attach/pdf/r3_wpaper-23.pdf