こんにちは!育脳食サポーター 管理栄養士の望月麻衣子です!
小学生のお子さんをお持ちのご両親は、糖尿病や高血圧症、脂質異常症など生活習慣病の予防に気をつけている方が多くいらっしゃる世代ですね。
食事についてお話をすると、「夕食はご飯抜きにしています。」「野菜中心の食事をしています。」と聞くことがあります。
そこで、気になるのは、お子さんも同じようにご飯(糖質)抜きや野菜ばかりの食事になっていること。
本当に小学生のわが子はその食事でいいのでしょうか?実は、ほとんどの小学生でNGなのです。そこで、今回はどうして小学生の糖質抜きがNGなのかご紹介していきます。
糖質は体に必要な栄養素
糖質は、主要なエネルギー源となる栄養素です。栄養学的な主な役割は、脳、神経組織、赤血球などの通常はブドウ糖(グルコース)しかエネルギー源として利用できない組織にブドウ糖を供給することといわれます。
その中でも特に脳は、体重の2% 程度の重量にも関わらず、総基礎代謝量の約 20% を消費すると考えられています[1]。
このように糖質は体内で重要な役割を果たしていますが、過剰に摂りすぎた場合には、エネルギーとして消費されず体内に余ってしまいます。余ってしまった糖質は中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因となります[2]。
そのため、それぞれの人にとって必要な量をとることが糖質補給のポイントといえます。
小学生が糖質抜きをするとどうなるの?
では、もし小学生の子供たちが、心身の成長が著しいこの時期に糖質をとらなかったり、不足状態を続けると、どうなるでしょうか?
エネルギー不足による疲労感や集中力の減少が見られ、また、ブドウ糖が必要な脳・神経で供給不足が起こると、意識障害を起こすこともあります[2]。
炭水化物(糖質と食物繊維の総称)が直接に特定の健康障害の原因となるとの報告は、2型糖尿病を除けば、理論的にも疫学的にも乏しいとされています[1]。
そのため、過度に少なくすることなく主食としてのご飯、パン、麺類などの糖質は毎食適量を摂るようにしましょう。およそご飯茶碗1膳(150g)は毎食摂りたい量です。
さらに同じ糖質を含む食品であっても、お菓子類や甘い菓子パン、酒類よりも玄米や雑穀米、ライ麦パンや胚芽パンといった食物繊維やビタミン・ミネラルが一緒にとれる食品がおすすめです。
まとめ
糖質は、人それぞれの適量の補給により体内に消費しきれないエネルギーを残さないことが生活習慣病予防では大切です。決して、糖質を摂らないことがよいのではありません。
そのためには、どのように糖質を含む食品と食べるとよいのかを、今回ご紹介しました!いかがでしたか?
子ども時代の食生活は、のちに続く人生の食生活にも大きく影響するといわれています。ぜひお子さんの将来のためにも、適した種類・量の食事を心がけてみてくださいね!
【参考文献等】
[1]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
[2]厚生労働省:e-ヘルスネット,炭水化物/糖質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-018.html